《ワークショップ》出版プラットフォームの変化 星野 渉 (2015年5月 春季研究発表会)

《ワークショップ》
出版プラットフォームの変化――取次システムの崩壊と新たな基盤作りの動向

  司会者:星野 渉(文化通信社)
  問題提起者:堀 鉄彦(出版ビジネスコンサルタント)

星野 渉 (文化通信社)

 ワークショップ「出版プラットフォームの変化――取次システムの崩壊と新たな基盤作りの動向」は,星野渉会員の司会で堀鉄彦会員が問題提起を行った。これまで出版産業のプラットフォームとして,物流,商流,情報流通などの機能を提供してきた取次システムは,雑誌市場の縮小によって,従来の「委託配本制」をベースとしたローコストで広範な商品供給を維持することが難しくなっている。
 その一方で,デジタルネットワークを利用した新たな出版プラットフォームとして,アマゾン,楽天,アップル,グーグルなどが存在感を大きくしている。さらに図書館向けに電子書籍を配信するメディアドゥ,マンガの無料配信や投稿機能を提供するcomico(NHN comico),マンガボックス(DeNA),LINEマンガ(LINE)といったサービスは,コミックの新人がデビューする登竜門になっている。こうした新旧出版プラットフォームについて堀会員の問題提起を元に議論した。
 ワークショップとしては,問題点が旧プラットフォームの崩壊と,新プラットフォームの登場という2つのテーマを同時に扱ったこともあり,討論に関しては焦点を絞れなかったという反省点があった。