2009年度事業計画(2009年4月~2010年3月まで)

2009年度事業計画(2009年4月~2010年3月まで)

 1969年に設立された日本出版学会は,本年をもって設立40年を迎えることになる。当時における時代認識や学会自体の人的構成は大きく変化しているものの,出版研究の重要性はますます高まり,新たな段階に到達しているといえよう。
 そこで当学会は,従来の出版研究の諸分野の活動を以下のように継続・拡大するとともに,学会設立40周年を記念した事業に対して取り組み,次の世代に対する責任を果たしたいと考えている。

■ 1.研究活動のネットワーク化の拡大

 1984年10月に最初の国際出版研究フォーラムが韓国ソウルで開催された。以来,四半世紀の間に我々は様々な交流を通じて,より内容の深められた議論を行う段階に到達している。国際フォーラムの継続運営や海外在住会員との恒常的な連携,また部会活動を通じた国内の研究者間のネットワークにおいても同様である。我々はこの方向を踏襲して歩みたい。

■ 2.会勢と財政の充実

 当学会は当初66名の発起人によって設立されたが,会員数はまもなく400名になろうとしている。しかし,学術研究団体としては決して多い数ではなく,その社会的使命を果たすためには,より多くの会員を擁することが必要と思われる。日常の活動や各種の刊行物を通じて,会員の獲得,会勢の充実を期したいと考えている。
 さらに学会の中・長期的観点からは,学会財政の充実を図る必要がある。

■ 3.事業

(1)調査研究の推進
 1 研究部会活動の推進
 当学会の活動がその規模に比較して活発であることは,多様な部会活動にあるといえよう。現役員体制2年目を迎えるにあたり,前年度の部会活動を見直すことで,会員の期待に応えるべく,円滑な部会活動が行われるように努力したい。
 2 研究発表会の拡充
 春季および秋季研究発表会において積極的な発表が続いており,活発な議論が行われている。また時代の研究課題に応えるシンポジウムの企画や基調講演もあり,毎回,多数の参加者を数えている。今後とも,学術的水準の向上の観点から,研究発表会をより充実させるべく努力したい。
(2)学会誌・会報の発行
 1 学会誌『出版研究』
 第40号の企画・編集を進め,年度内の発行を予定する。
 2 『日本出版学会会報』
 本年においては3号の発行を予定し,内容の充実を図るとともに,ウェブサイトとの連動によって学会の公知化に資することとしたい。
(3)日本出版学会賞の審査・授与
 学会創立10周年を記念して創設された日本出版学会賞は,その後,20周年,30周年,35周年記念事業の中においても位置づけられ,基金の確保とともに継続されている。日本出版学会賞の授与を可能とする基金については,今後は通常会計から資金を拠出し,その財政基盤を確立する。これにより,すぐれた研究成果に対する学会賞の授与を継続する。

■ 4.特別事業(40周年記念事業)

 学会創立40 周年を記念する事業を行うこととする。今回の周年事業は,その内容と特性から単年度の事業としてではなく,今後3年間にわたる複数年度の計画とし,下記事業を予定する。詳細については特別委員会を設置して実施に移すこととする。
(1)40周年記念シンポジウムの開催
 40周年の節目となる記念シンポジウムを次年度総会にあわせて開催すべく計画する。
(2)第15回国際出版研究フォーラムの日本誘致
 第12回国際出版フォーラムは,35周年事業として東京経済大学の共催を得て,2006年に開催された。その費用捻出のために周年事業募金活動が行われた。2012年に予定されている「第15回国際出版研究フォーラム」に向けて,同様な計画を策定する。
(3)募金活動
 以上の事業を可能とすべく,当学会は当面3年間にわたる募金活動を行う。詳細については特別委員会において検討されるが,募金活動はあらゆる機会をとらえて積極的に行い,上記事業の実現を期す事としたい。

 なお,当期の事業は,現会長・役員体制になって2期目の役員によって行われ,まさに新しい時代にふさわしい学会運営が行われるものと期待される。

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