「本屋の新しい業態研究
――シェア型本棚と公営書店(八戸ブックセンター)」
報 告:植村八潮(会員)・梅本優希・湊梨々子
日 時:2024年3月15日(金) 18:00~19:30(17時30分開場)
場 所:専修大学神田キャンパス 10号館6階10062教室
https://www.senshu-u.ac.jp/about/campus/
靖国通り沿い、地下鉄・神保町駅、九段下駅からすぐ、
JR水道橋駅から徒歩10分弱
会 費:無料
定 員:会場:100名 オンライン:100名
参加申し込み:https://forms.gle/St4NvWqJe2TvrZAG7
※Zoomでの同時配信も行います。
申込時に現地参加かオンライン参加を選択ください。
【開催趣旨】
出版文化産業振興財団(JPIC)の調査によると、「書店ゼロ」の市区町村は全国で26.2%にも上る。全国的な書店の減少が顕著になったことで、書店に関するメディアの記事も目立つようになった。
その際、取り上げられる話題の一つが、「シェア型本屋」と呼ばれる書店である。書店経営が困難な中で、「棚主」が増えていることが注目される。しかし、「棚主」にとって、本の販売額は小さく、棚の賃料を考えれば、多くは赤字経営と考えられる。なぜ、「棚主」となるのだろうか。
もう一つの話題が、八戸市が直営する公営書店、「八戸ブックセンター」である。しかし、本来、民間事業である書店をなぜ公共が運営するのだろうか。さらに、開店当初から赤字経営などへの批判があっても現在まで継続してきた理由は何か。
出版産業研究部会では、本屋の新しい業態における、この二つの「問い」について、専修大学ジャーナリズム学科の卒論で取り組んだ研究成果を報告します。
植村八潮・梅本優希
『表現の場としての「シェア型本屋」』
シェア型本屋のステークホルダーは、「店舗運営体」、棚を借りている「棚主」、店に訪れる「利用者」に分けることができる。シェア型本屋ブームは、「棚主」ブームとも言えよう。また、シェア型本屋の背景には、ハンドメイド作品などの販売代行を行う「レンタルボックス」や同人として本を売る活動などの系譜も指摘できる。そこでシェア型本屋の「棚主」31名に加え、文学フリマで「同人活動として本を売る」出展者14名に、開業の理由や継続性、利益等について半構造化インタビューを行い、ブームの理由について分析した。
植村八潮・湊梨々子
『公営書店に対する評価分析にみる意義と可能性
――八戸ブックセンターを事例として』
公営書店に対する評価について、2023年末で営業中止となった木村書店田中社長を含む現地4書店、八戸ブックセンター担当者、図書館へのインタビュー、地元住民・利用者へのアンケートに加え、経費的検証、市議会会議録や市長選の調査・分析、地元紙報道など多面的な調査を行い、その意義と可能性について分析した。