日本出版学会 関西部会(通算110回)のご案内 (2023年3月4日開催)

「雑誌出版とジェンダー
 :『婦人文藝』主宰者としての神近市子を中心に」

 報 告:石田あゆう(会員・桃山学院大学社会学部教授)

 
日 時:2023年3月4日(土)14時30分~16時00分(開場:14時15分)
場 所:オンライン開催(Zoom)
会 費:無料
定 員:100名(定員を超えた場合は、先着順とさせていただきます)

申込先:https://forms.gle/75Lh4g2vwEoZFPG47
    (Google Formにて受け付けます。上記URLをクリックしご登録をお願いします。)

申込み締切:開催3日前(2023年3月1日(水))まで

※ 参加者には開催前日までに、Zoomの招待URLをお送りします。

主催:関西部会
 
 
【開催概要】

 神近市子(1888-1981)と、彼女が手がけた『婦人文藝』を取り上げる。神近は、昨年放映のNHKドラマ『風よあらしよ』(村山由佳原作)に登場し話題となったが、この作品のように神近は伊藤野枝とアナーキスト大杉栄との関係で取り上げられることが多い。
 しかし、神近は長く文筆業に関わり、戦後には衆議院議員を務めるなど、その人生は長く、数少ない女性エリートとして社会的影響力が少なくないが、その事績は忘れられがちである。
 また、女性と雑誌編集といえば、『青鞜』がその先駆として歴史的にもあまりにも有名だが、その後の女性の手による雑誌出版についてはそれほど注目されないことも同様である。
 夫の鈴木厚を編集長として、かつての『青鞜』の流れをくむ出版や文藝に関わってきた女性たちとともに、『婦人文藝』(昭和9年6月~昭和12年8月、37冊刊行)を立ち上げる。
 『婦人文藝』は「女性の表現の場」を作る「文藝雑誌」として見なされてきたが、職業婦人の社会性を養う記事が同時に多数掲載されている点など見過ごされている点もある。
 昭和初期にあってジェンダー平等を目指し、『婦人文藝』を「社会文藝総合雑誌」と呼称した、神近市子にとっての雑誌出版、メディアを通じた情報発信の持つ意味を探る。