日本出版学会賞 受賞記念講演会のご案内(2017年10月11日開催)

■日本出版学会賞 受賞記念講演会のご案内(2017年10月11日開催)

日本出版学会では、出版の調査・研究に関するすぐれた著作に対して、学会賞を授与しています。
このたび、下記のとおり受賞記念講演会を開催いたします。

「『占領下の児童出版物とGHQの検閲』を上梓して」

講 師: 谷 暎子 氏
日 時: 2017年10月11日(水) 午後6時~8時 (受付開始:午後5時30分)
会 場: 日本大学法学部三崎町キャンパス 10号館8階1081講堂 (東京都千代田区三崎町2-12-1)
交 通: 水道橋駅 JR総武・中央線 東口 徒歩5分
          都営三田線 A2出口 徒歩6分
     神保町駅 東京メトロ半蔵門線,都営三田線・新宿線 A4出口 徒歩8分
          東京メトロ半蔵門線,都営三田線・新宿線 A2出口 徒歩6分
会 費: 会員無料、非会員1000円(学部生無料、学生証を提示ください)

申込み: メールまたはFAXで下記までお申し込み下さい。満員の場合のみご連絡させていただきます。
     日本出版学会事務局 e-mail: info@shuppan.jp FAX:03-3313-7348 
主 催: 日本出版学会

【受賞作品】
谷暎子 著
『占領下の児童出版物とGHQの検閲――ゴードン W. プランゲ文庫に探る』(共同文化社刊)
(第38回(2016年度)日本出版学会賞)

 本書は、長年にわたって「児童出版物」の検閲について研究を進めてこられた著者の集大成として、2016年6月に上梓されたものである。
 本書の新規性は、メディア史研究の中でも汗牛充棟の感のある占領期において、これまでに注目されてこなかった「児童出版物」という新たな視点を提供した点にある。プランゲ文庫に所蔵されている児童書、雑誌、新聞、紙芝居などを包括的に考証することによって、占領下におけるGHQの児童出版物に対する検閲の実態を明らかにした労作である。
 また、本書における分析は、検閲を「する側」だけにとどまらず、「される側」である出版社側の動向についても詳らかにしている。とりわけ、自主規制によって改変された作品に関する事例として、占領が終わったあとになっても作品を改変したことが公表されず、作品の復元も行われなかったというケースは、単なる史実の提示にとどまらず、出版倫理上の問題提起としても重要な意味を持つものである。
 本講演が、出版物に関心を持つより多くの読者諸氏にとって、本書がもたらした知見を広く共有する機会となることを期したい。
(受賞記念講演会幹事:石川徳幸)

【講師プロフィール】
 1936年札幌生まれ。日本女子大学通信教育部家政学部児童学科卒業。北星学園の幼稚園教諭・保母養成所、短大、大学で教職課程の教育に従事。1995年からメリーランド大学の客員研究員として、プランゲ文庫で児童書の目録化に携わる。その後、1998~2004年までプランゲ文庫に通い、児童書目録の作成準備に携わる。