第14回南京研究会に参加して 感想  甲川純一

■第14回南京研究会に参加して 感想

 甲川純一

 2008年ソウル大会では「出版の危機・電子出版」がテーマだったが,今回は中国四千年の“本”の歴史の中に現在を観ているようだ。
 では南京の書店を垣間見よう。

 玄武門の鳳凰書城,繁華街・新街口に新華書店がある。7,8階建の書店ビル。
 新華書店から徒歩1,2分離れて15坪の本屋が2軒ある。学参だけに絞った品揃え。コバンザメ立地? 流通システムは店頭には現れないが,立地は見れば判る。
 お客の店頭での様子。学参は母子で来店し母親が選ぶ。小学校高学年以上は子が選ぶも,傍らで母親が子の手に取る本を覗いている。ドリルはA4とA3判横開き,定価8~15元。南京の庶民の月給は2000元,一人の生活費は1800元らしい。一般書籍は20~80元。大書店では,階段に座り込んで読む,書き写す,ケータイに入力する,全員が若者。
 店頭従業員。新華書店では各フロアー百坪に10人強。鳳凰書城は7人。お客への声掛け盛ん。小書店では2,3名。
 文芸書では和綴本も見かける。最近の発行ゆえ,内容に沿った装幀の様子。大学の副教材か? 文芸書の20%は古典モノ。
 レジは1階のみ。定価通りで支払う。係は無言でお釣とレシートを滑らす。小書店では手渡す。
 包装は各店各様。新華書店では包装無く,万引防止のため専用出口で警備員がレシートに捺印。鳳凰書城では帯巻き,捺印無し。15坪の北京・スン書店は黄色地赤店名のビニール袋。
 等々,10年前とは様変わりしている。比較項目別の時系列一覧表が必要と感ず。