映像翻訳業界事情
岡田壮平 (映像翻訳者)
翻訳出版部会2018年度第4回委員会を11月24日土曜、14:00~15:30、(株)アイディ会議室にて実施した。講師はベテランの映像翻訳者岡田壮平さん、演題は「映像翻訳業界事情」。以下はそのレジュメ。
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45年前まで10人ほどの「映画字幕翻訳者協会」会員に独占されていた字幕翻訳。会員の高齢化と新媒体の登場で、新たな翻訳者のニーズが生まれた。ビデオ、CS・BS、DVD、ブルーレイ、ネット配信、と媒体が増えるにつれ、新人翻訳者が育っていった。
市場が広がったその分、粗製乱造、製作費のたたき合いが起こった。伝統的な字幕翻訳のルールを知らない製作者・翻訳者が増え、現在字幕の質は必ずしも良いとはいえない。字幕業界の先駆者たちが苦労して定めたルールは、鑑賞に配慮してのものであった。それを守ってゆくのが、心ある翻訳者の使命だろう(ここで講師は字幕翻訳のセオリとでも言うべきものを丁寧に説明してくれたが、長いので省略する)。それには翻訳者の生活が成り立つ稿料も保証されねばならない(字幕翻訳者の労働と対価についても、具体的に示していただいたが微妙な問題なので省略する)。やはり意味ある講演は直に聞かねばならぬのである。
出席者が、会員7名、非会員4名というのは残念に思える。広報活動の必要性を痛感した。
日時: 2018年11月24日(土) 午後2時00分~3時30分
会場: 株式会社アイディ会議室
(文責:柴田耕太郎)