和本入門――その形態と出版技術
大沼晴暉
(元慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授(書誌学))
和本の出版方法とその背景,書物の取り扱い方などについての言及を交えながら,書誌学的見地からの審定技術について,ご指導いただく機会を得た。
まず参加者全員から書物との関わり方について発言してもらい,関連する情報のやり取りを行った後,氏が持参した和本・唐本・朝鮮本計10冊を参加者が手に取って,実際の出版地がどの国なのかを見極める実習を行った。外見は中国の本のようでありながら,実際は日本で出版されたものなど,見た印象だけでは区別がつかないものばかりであり,各国の書物の造本形態や素材の特徴,刊記や宣旨などの記述から判断する方法等をご教授いただいた。
※2014年度第1回研究部会,参加者21名(会員4名,非会員17名)。
(文責:田中 栞)