西洋の造本装丁について
――ワールド・アンティーク・ブック・プラザ見学
案内役:渕野智弘
(雄松堂書店,ワールド・アンティーク・ブック・プラザ広報担当)
日 時:2013年9月6日(金)18:30~20:30
会 場:丸善日本橋店3階/ワールド・アンティーク・ブック・プラザ
東京都中央区日本橋2-3-10
交 通:東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅B3出口直結
参加費:学会員500円,非会員1000円
定 員:20名
※要予約,日本出版学会会員を優先して先着順。
申込み方法:
「氏名・電話番号・ご所属・学会員か非学会員か」を明記の上,
e-mail(info@shuppan.jp)またはFAX(03-3313-7348)でお申し込み下さい。
かつて西洋の書物は,印刷済みの本文折丁を仮綴じの状態で販売し,所蔵者の求めに応じて製本職人が革や金で装って仕上げた。とりわけ愛書家の要望に応じて職人たちが技を競った工芸製本(ルリユール)の作品は,近現代においても優れたアートと認識されている。
19世紀初頭,出版物の需要増加に伴い,版元が内容の編集から製本までを制御する安価な工業製本の時代が到来した。しかし誰もがそれに満足したわけではなく,製本家やその工房の銘が記された美装本も多数制作された。
丸善日本橋店の店内に,2011年11月開設したワールド・アンティーク・ブック・プラザ(雄松堂書店主宰)は,世界11か国から,稀覯本を商う著名な古書店が23店も出店する空間である。
本研究会では,この特別なスペースで海外の貴重な古書に親しみつつ,在庫本の中から造本装丁の面で特筆すべきものを中心に,様々な近代製本の姿を見ていく。
ポショワールなど華やかな手彩色版画の挿絵本を色鮮かな革装に仕立てたバルビエ画『幻想の伝記』(パリ,1929),ミュシャ画『トリポリの姫イルゼ』(プラハ,1901)。1冊ずつ色違いの革装にした贅沢な趣向の10巻本『ビアホーム著作集』,インキュナブラを近代装丁にした革装本『ホラティウス著作集』挿絵入初版本(ストラスブール,1498),著名な製本家コッカレルの名工房W・H・スミスによる『過ぎ去りし時のひびき』(パリ),ボーダーの箔押し装飾が麗しいテニソン『イン・メモリアムほか詩編』(ロンドン,1900),細長い本に仕立てたボッカチヨ『デカメロン』限定版(フィレンツェ,1820)等々。
関連資料として,デロム『豪華装丁,書物と愛好家』(パリ,1888),デュダン『製本師と金箔師の技』(パリ,1882),マリニス『15-16世紀のイタリア芸術製本』(フィレンツェ,1960)などの製本技法書や,レンケル『紙の本』(ライプツィヒ,1936),ゲンツ『活字見本』(ミュンヘン,c.1900),『製本年艦1927-1937』(ニューヨーク,1938)など,造本周辺の内容の書物も見ることができる。
西洋の古い造本について,解説付きで見られる滅多にない機会です(約30点を予定)。ふるってご参加下さい。
※古書はいずれも販売本のため,ラインナップは多少,変更になる場合があります。
申込み・問合せ先:
日本出版学会事務局「出版技術・デジタル研究部会」「出版史研究部会」
TEL 03-3313-7347 FAX 03-3313-7348 info@shuppan.jp
主 催:
日本出版学会
出版技術・デジタル研究部会(担当/田中栞),出版史研究部会