■ 第14回国際出版フォーラムに参加して
王 萍
初夏の風に揺られる5月,日本出版学会の訪中団の一員として,第14回国際フォーラムに参加するため,中国の四大古都の一つ南京へ行ってまいりました。
中国で開催する国際出版フォーラムへの参加は,私にとって二回目ですが,実際に出席できたのは今回がはじめてでした。というのも,2004年に武漢で開催された大会には,参加する予定だったにもかかわらず,帰省中の実家の前で交通事故に遭遇,開会の直前になってやむなく取りやめざるをえなくなったからで,残念な気持ちが心の中にずっと残っていました。
今回の訪中団メンバーでは,私が唯一,中国出身ということで,日中・中日の通訳(同時通訳除く)の重責を任されましたが,今回の「実践」を通じて,私は日々の勉強不足を痛感しました。緊張していたせいか,初日の歓迎会でも食事をとることがあまりできず,ホテルに戻って翌日の準備をいろいろする段になってから,お腹がすいていたのに気づいたことが思い出されます。
日中間の意思疎通のために通訳を担当してみて,気づいたことが二つあります。一つは,同時通訳がいかに重要であるかということ,もう一つは,発表者が会場とうまく連動できるかどうかも,通訳の熟練さにかかっているということでした。
今回のような日中韓三国の人々が参加する国際出版フォーラムを円満に成功させるには,この二点が重要な鍵であると言っても過言ではないでしょう。
次回,日本で開催される第15回国際出版フォーラムの成功を,心からお祈りしています。