日本出版学会賞 受賞記念講演会(ピーテル・ヴァン・ロメル氏)のご案内(2024年10月9日開催)

 日本出版学会では、出版の調査・研究に関するすぐれた著作に対して、学会賞を授与しています。このたび、下記のとおり受賞記念講演会を開催いたします。

「明治後期における教育ジャーナリズムの実態と小学校教員にとっての意義」

 講 師:
 ピーテル・ヴァン・ロメル 氏
 (東京経済大学コミュニケーション学部)

 第45回(2023年度) 日本出版学会賞 奨励賞受賞
 『「田舎教師」の時代』(勁草書房刊)

 
日 時:2024年10月9日(水) 18:30~20:00
場 所:筑波大学東京キャンパス122講義室
     (東京都文京区大塚3-29-1)
    +オンライン開催(Zoom)のハイブリッド形式
交 通:東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅 徒歩5分
    https://www.tsukuba.ac.jp/access/tokyo-access/index.html

会 費:無料
定 員:対面の上限は60名、オンラインは100名まで

申し込み先:
https://forms.gle/gAgk3gxC758VoXGZ7
(Google Formにて受け付けます。上記URLをクリックしご登録お願いします。)

申込み締切:2024年10月6日(日)まで
※定員を超えた場合は、先着順とさせていただきます。
※オンライン参加者には開催前日までに、Zoomの招待URLをお送りします。
 
【開催概要】
 明治後期は日本において初等・中等教育の急拡張期であった。小学校教員数は60,000人(1892年)からほぼ160,000人(1912年)にまで倍増した。かくして日本全国に散在することになった大量の青年・新進教師たちは新しい中間知識人層を形成し、出版文化の熱心な受容者となった。近代教育制度の成立過程や教科書については先行研究が豊富であるが、教師たち自身の生活や、彼ら彼女らが日常生活でメディアをどのように利用していたかについては、これまでほとんど注目されてこなかった。本講義では、拙著『「田舎教師の時代」――明治後期における日本文学・教育・メディア』(勁草書房、2023年)の一部分を基に、教員向けに出版された「教育雑誌」の多様性や複雑な実態に光を当てる。教育ジャーナリズム史研究を通じて、明治期の日本教育界の多面的なありさまと、新たな出版文化の形成が明らかになると言える。特に、日露戦争前後に顕著な変遷を見せた教育雑誌をメディアとして分析することで、教育ジャーナリズムが単に教職や文部省の教育方針についての情報を提供するだけではなく、投書や文学作品を通じて教材や研究成果を共有し、自己表現を行い、他の教師と繋がり、論争的で批判的な考えに触れる機会をも提供していたことを論証する。
 
主 催:日本出版学会 出版史研究部会・雑誌研究部会共催