日本出版学会では、出版の調査・研究に関するすぐれた著作に対して、学会賞を授与しています。
このたび、下記のとおり受賞記念講演会を開催いたします。
「近世民衆の蔵書と読書――仏書の読者をめぐって」
横田冬彦氏 (京都大学名誉教授)
第40回(2018年度)日本出版学会賞受賞 (『日本近世書物文化史の研究』岩波書店)
日 時: 2019年7月20日(土)
14:00~16:00 (13:30開場)
会 場: 専修大学神田キャンパス 5号館4階542教室
東京都千代田区神田神保町3-8
https://www.senshu-u.ac.jp/access.html
交 通: 水道橋駅 JR中央線 西口 徒歩7分
神保町駅 東京メトロ半蔵門線,都営三田線・新宿線 A2出口 徒歩3分
九段下駅 東京メトロ半蔵門線,都営新宿線 5番出口 徒歩3分
会 費: 会員 無料、非会員 1000円 (学部生無料、学生証を提示ください)
定 員: 70名 (満席になり次第締め切ります。やむなくお断りすることもあります)
申込み・問合せ:
会員・非会員を明記の上、メールまたはFAXにて下記宛にお申し込み下さい。
満員等の場合のみご連絡させていただきます。
日本出版学会事務局
e-mail: info@shuppan.jp
FAX: 03-3313-7348
【開催概要】
作者や出版書肆の側からではなく、読者の側からみると、何が見えるのか。それが昨年出した拙著『日本近世書物文化史の研究』(岩波書店)の基本的なモチーフであったが、今回の講演では、著書では扱わなかった仏教書を取りあげ、村の庄屋や在郷町の町人といった人々の史料を素材に考えてみたい。
1700年ころに生きた彼らの世代にとっては、中世の長い戦乱の時代はすでに過去の記憶となり、その後100年近く続いた戦後平和と経済発展を経て、戦争や災害・飢饉・疫病などによる悲惨な死、無念で異常な死はかなり避けられる時代に入っている。僧侶のいうままでもなく、村共同体の民俗慣行にゆだねるのでもなく、教典から仮名法語・説話集に至るさまざまな仏書が読める中で、自分の思索を始めた彼らは、自らの死や家族の死をどのように迎えようとしていたのか。
主催:日本出版学会