日本出版学会 出版史研究部会 開催のご案内 (2021年3月4日開催)

■ 日本出版学会 出版史研究部会 開催のご案内 (2021年3月4日開催)

「出版史から見た明治時代の「誌友交際」」 

日 時: 2021年3月4日(木) 18時00分~20時00分
報 告: 長尾宗典 (城西国際大学、出版史研究部会長)
場 所: オンライン開催(ZOOM)
会 費: 無料
定 員: 100人 (定員を超えた場合は、先着順とさせていただきます)

申込先: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc-LSSOXP01moNyqKYI-VcBbbKYVA67x9DPeSLXjtiemzHxcQ/viewform?usp=sf_link
    (Google Form にて受け付けます。上記URLをクリックしご登録お願いします。)

     *参加者には開催2日前までに、ZOOMのURLをお送りします。
      なお、万が一定数を超えた場合は、先着順とさせていただきます。

主催:出版史研究部会

【報告要旨】
 日清戦争後から明治末期にかけて、地域社会では、中学生を発行の主体とする同人雑誌の発刊が相次いで行われ、ちょっとした流行現象となっていた。彼らは東京府で発行される『文庫』や『文章世界』に投稿するとともに、常連投稿者同志で互いに文通しあい、「誌友交際」というべき独自のコミュニケーションを築きあげていた。多くの場合、採算が取れないまま続々と雑誌を発行し続けることが多かったが、それに没頭する少年たちの姿もまた独特であった。彼らの存在は、出版メディアとその読者の歴史的状況のなかにおける姿を具体的に伝えてくれるものであり、流行文化としての「誌友交際」が、明治末期になって、急速に下火になっていったのは何故かという問題も興味深い論点となる。
 本報告では、報告者のこれまでの地方雑誌探索の成果を振り返り、都市における出版資本の形成や流通網の変革という観点も導入しながら、地域発行の同人雑誌の興亡について出版史の観点から検討を加えてみたい。

※本報告は、新型コロナウィルス感染拡大の影響から中止となった2020年2月27日の部会発表を一部修正したものとなります。