日本出版学会理事会による日本学術会議会員候補者任命拒否問題に関する声明

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日本出版学会理事会による日本学術会議会員候補者任命拒否問題に関する声明


 第25期日本学術会議の新規会員任命で、日本学術会議が推薦した会員候補者のうち6名に対して、内閣総理大臣が理由等を明らかにせずに任命を拒否し、多くの学術団体がこのことに関する抗議声明を即座に発表した。しかし日本出版学会理事会は、国会においてその理由が明確にされる可能性もあると考え、その成り行きを注視してきた。結局、首相の答弁等からは理由は明らかにならず、漠然と日本学術会議のあり方を見直す必要があり、その一環として6名の任命の拒否に至ったようにしか受け取ることができなかった。
 日本は法治国家であり、民主国家である。したがって、日本学術会議法という法がある限り、会員任命に関しても法に従った手続きと、その手続きが正当に行われたことが主権者たる国民に明確にわかるように行われなければならない。もし、6名の任命拒否が日本学術会議のあり方を改善するために行われたのであれば、6名それぞれの任命拒否が、どのような改善に繋がるのかを明確にすべきであるとともに、そのことがどのような法的根拠によって、任命拒否の理由になるかを明確にすべきである。それがなされないのであれば、学問の自由を侵すことはいうまでもないが、それ以前の問題であって、憲法前文の「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」ではなくなっている、といわざるを得ない。日本出版学会理事会は、この点を憂慮し速やかに首相が、6名の任命拒否を撤回するか、自身の支持者であるなしに関わりなく、すべての主権者たる国民が「正当な法的手続きである」と納得できるように説明すべきである。そうでない限り、6名の任命拒否は違法であると考える。

 (上記声明に対し、理事28名中 賛成16名、反対1名)


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《反対コメント》
 多数の学術団体が、即座に声明等を発表するなか、状況を見極め判断をこの時期まで保留されていたことにつきまして、塚本会長の見識を支持いたします。
 出版メディアは、様々な意見を持つ人が(一定の限度はありますが)自由に言説を展開できるからこそ多様性があり、豊かな文化を醸成していくことに貢献しているものと思います。
 この問題は、賛否が分かれている状態だと思いますので、現時点で同調圧力に屈して一方の言説に支持を表明してしまうのは、日本出版学会としては控えるべきだろうというのが私の意見です。
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