電子ペーパーの動向と利用技術の現在  鈴木明 (2008年10月14日)

■ 出版技術研究部会   発表要旨 (2008年10月14日)

電子ペーパーの動向と利用技術の現在
鈴木 明


 鈴木明氏は,(株)リコーでここ数年,電子ペーパーに関し調査・研究し,画像系の学協会を中心に発表を重ねている。今回は,原理的,技術的なことはいくつかの方式を簡単に紹介し,日本での試験運用や,実際に読書端末を中心に国内外で利用されているハードウエアの動向について報告した。
 電子ペーパー自体は,国内外合わせ10以上の企業や大学のものを紹介し,書籍,新聞,店頭POPなどに使われている状況を説明した。
 今後は,新聞,本などの紙への置換可能な潜在市場は莫大で,電子ペーパー市場の拡大も期待されているが,顧客の不満解消が鍵であり,技術的解決に加え,未知なる用途開発,利用範囲の拡大,ヒューマンインターフェースなどが検討されていくだろうとまとめた。
 電源を切っても画像表示されているのが電子ペーパーであるが,電源OFF状態で振動などで画像が崩れることがないのか,という会場からの質問があり,通常の利用範囲では問題ないと答えた。
 今回の部会は,千葉大学旧印刷系学科の卒業生を中心に活動しているCD勉強会と共催で,東京電機大学(神田錦町)で実施した。
(分析:中村 幹)