日本出版学会 関西部会のご案内 (2013年7月24日)

■日本出版学会 2013年度第2回(通算第79回)関西部会のご案内

『満洲出版史』とその周辺

報告者:岡村 敬二氏(奈良大学非常勤講師)

【開催趣旨】
 これまでに満洲研究については,経済や文芸領域などいくつかの領域で大きく進展を見せ,満映や「満洲浪曼」など人びとの関心の高いテーマについては共同研究もなされ商業出版で取り上げられてきた。しかし,満洲の出版については,研究面では例えば満洲書籍配給(満配)や大阪屋號書店などトピカルな問題については少しずつ取り組まれているが,その総体的な研究はまだない。このような状況にあって本書は,さまざまな満洲研究の基礎となるべき資料(満洲の地で出版された本や雑誌)が,どのような事態のなかで刊行されたか,といった満洲の出版体制そのものの研究をし,通史を目指した。

 今回はこの『満洲出版史』についてその概容を報告する。また,満洲の出版(物)のうち,満鉄や満洲国また満日文化協会の刊行物の事例,さらには満洲・満洲国時期を通じて長く刊行された城島舟禮編輯雑誌『月刊満洲』についても取り上げて報告していく。「出版」とは本来,著述から刊行・流通・集積,さらに読書の在り様から継承・保存までの総過程である。そうした観点からして,本書が満洲の出版総過程を明らかにする第一歩になればと願う。
 ※『満洲出版史』は2012年度日本出版学会賞奨励賞を受賞されました。

【報告者のプロフィール】
1947年広島県三原市の生まれ。京都大学法学部を卒業し大阪府立図書館司書。大阪資料課長を最後に退職,京都学園大学,京都ノートルダム女子大学教授。今年3月に定年退職。博士(学術)。
著書に『遺された蔵書−満鉄図書館・海外日本図書館の歴史』(1994年 阿吽社),『江戸の蔵書家たち』(1996年 講談社選書メチエ),『「満洲国」資料集積機関概観』(2004年 不二出版),『日満文化協会の歴史−草創期を中心に』(2006年 私家版)など。

日 時:2013年7月24日(水) 18時30分〜20時30分
会 場:関西学院大学大阪梅田キャンパス 1401教室
    http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/
    大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階
 *「梅田コマ劇場」「ホテル阪急インターナショナル」のあるビルです。
   オフィス用エレベーターをお使いください。
交 通:阪急梅田駅茶屋町口徒歩5分,JR大阪駅北口徒歩8分,
    地下鉄梅田駅徒歩8分

参加費:会員300円・非会員500円

会員でない方の参加も大歓迎です。当日直接お越しください。
終了後,懇親会を予定していますので,ご自由にご参加ください。

関西部会担当:湯浅俊彦
連絡先:立命館大学
    〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
    TEL:075-466-3136(研究室直通)
    FAX:075-465-8188(文学部事務室)